サウジ皇太子、殺害1年前にカショギ氏を「銃弾で」狙うと発言
このニュースをシェア
【2月8日 AFP】サウジアラビア人ジャーナリストのジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏が殺害された事件で、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は7日、サウジのムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子(33)が事件の1年前に側近との会話でカショギ氏を「銃弾で」狙うと発言していたと報じた。米情報機関からの情報だという。
同紙によれば米情報機関はこの発言について、文字通りの「射殺する」との意味ではなかった可能性はあるものの、いつでもカショギ氏を殺害できるという意思表明だったと受け止めている。
皇太子に批判的な記事を書いていたカショギ氏は2018年10月2日、トルコ・イスタンブールのサウジ総領事館内で殺害された。今回報じられた皇太子の発言は、その約1年1か月前の2017年9月に側近との間で交わされた会話の中に登場したという。
皇太子は側近に対し、カショギ氏が帰国の誘いに乗らないなら強制的に連れ戻す必要があると発言。そのいずれも不可能な場合は、同氏を「銃弾で」狙うと述べていた。
ニューヨーク・タイムズによると、この会話は米情報機関が傍受したもので、皇太子とカショギ氏殺害事件を結び付ける決定的な証拠を求めて捜査を強化した結果、最近になって書き起こされたという。国家安全保障局(NSA)をはじめとする米情報機関は、同盟国を含む世界各国の指導者の通信を日常的に記録・保存している。
サウジ当局は当初、カショギ氏失踪への関与を全面否定していたが、その後、総領事館内で暗殺チームによって殺害されたことを認めた。しかし、皇太子の関与については強く否定している。(c)AFP