【2月8日 Xinhua News】中国のSF映画が春節(旧正月)興行の初日に当たる5日、新たな歴史をつくった。中国の映画市場は上映枠の30%以上を国産SF映画に回した。

 独立系興行収入データサイト芸恩網の推計によれば、同日封切られた「流浪地球」(The Wandering Earth)が上映枠全体の約11.3%を占めた。この映画は「中国映画産業の現代化プロセスにおける真の意味でのSF大作」とされており、先月行われたプレミア上映での評判も高かった。

 もう1本の中国国産SF映画「瘋狂的外星人」(Crazy Alien)も上映枠全体の20%以上を占め、同日封切りのチャウ・シンチー(周星馳)監督の新作「新喜劇之王」(The New King of Comedy)を上回った。

 多くの文芸評論家は、映画「流浪地球」は巨大都市が氷に閉ざされるといった災害など、一種奇観と言えるような幻想的シーンを提供したのに加え、中国SF的な物語ロジックも提供していると指摘する。例えば映画では、地球規模の大災害が襲った際、人々は全てを振り捨てて逃げるのではなく、この土地に対する強い気持ちを持ち、人類共通の家である地球と共に未来に向かって飛ぶという行動が描かれている。

 ある業界関係者は、「流浪地球」が予想を超えた評判を呼んでいるのは作品単独の現象ではないと考えている。近年、多くの中国のSF作家による作品の映画化やドラマ化などの進展が加速しており、中国生まれのSF作品に基づいたSF産業チェーンを確立するのは非常に有望だとみられている。(c)Xinhua News/AFPBB News