【2月6日 AFP】英ロンドン北部の墓地にあるカール・マルクス(Karl Marx)の墓が何者かに破損させられた。墓地の管理団体は、意図的に損壊行為が繰り返されたとの見方を示している。被害は4日、警察に届けられたが、すでに捜査は終了。逮捕者は出ていない。

 墓地を管理する慈善団体「フレンズ・オブ・ハイゲート墓地トラスト(Friends of Highgate Cemetery Trust)」のイアン・ダンガベル(Ian Dungavell)最高経営責任者(CEO)は5日、AFPに対し、墓碑の大理石板が金属製の鈍器で繰り返したたかれたと述べた。

 大理石板は墓碑の中で最も古く、最ももろい箇所で、マルクスと家族の名が刻まれている。

 ダンガベル氏は「カール・マルクスの名前が特に選ばれているように見えるため、ただ墓碑を無差別に破損させたのではなく、非常に狙いを定めた行為のように思える」と指摘した。

 ドイツの革命思想家マルクスは1849年にロンドンに移住し、その後もロンドンに居住。共産主義の基礎となる理論を構築した後、1883年3月14日に64歳で死去した。

 墓碑は1956年、グレートブリテン共産党(Communist Party of Great Britain)の資金で建てられたもので、高さ約3.7メートルの御影石製。また、上部にブロンズ製のマルクスの胸像が載せられている。

 警察は、初動捜査は完了し、捜査は終結したと表明。広報担当者は「何らかの新しい情報が出れば、それに従って捜査を行う」と述べた。(c)AFP