半月ネット遮断のトンガ国民、オフライン生活振り返る
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【2月5日 AFP】南太平洋の島国トンガで、先月20日から2週間にわたり遮断されていたインターネットは、3日までにようやく復旧した。この間、経済上の損失や社会面での苦悩がもたらされたのに加え、国民はオフラインでのコミュニケーション術を改めて見いださざるを得なかった。
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トンガは、ニュージーランドから北東へ約2400キロ離れている。インターネットが突如機能停止に陥ったことで、多くの事業所で業務が中断され、島を外の世界とつなぐ生命線であるソーシャルメディアへのアクセスも遮断された。デジタル機器やインターネットから距離を置く「デジタルデトックス」が、意図せずもたらされた格好となった。
これについて住民の一人は、「インターネットでのメッセージを介さずに連絡を取り合うにはどうすればいいかを学ばなければならなかった」「何も分からなかった。何が起きているのか、何がニュースになっているのか、サイクロンが来ているかどうかも」と語った。
ネット遮断は海底ケーブルの破損に起因していたが、その原因の特定と復旧には13日間を要した。
今回の事態によって国民11万人の多くが、5年前にフィジーから827キロの光ファイバーケーブルが開通して以降、インターネットにここまで依存するようになっていた事実を思い知らされた。
衛星通信サービスを利用しようと何時間も並んで待つ人がいる一方で、庭でのんびり過ごす、人に会いに出掛けるという人もいた。
上述の住民は、「実を言えば、インターネットを強制的に切られて、また人と会話したり外出したり、皆どうしているのか聞きに行ったりするのも悪くないと思った」「あの時は大勢の人が外に出ていた。バーに行くと人でいっぱいだった」と振り返った。(c)AFP/Mary Lyn Fonua