肥満関連のがん、米国の若い世代で急増 大規模調査で判明
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【2月4日 AFP】米国で、肥満に関連したがんの発症率が若い世代で急増していることが、国民の3分の2を対象に行われた大規模調査で明らかになった。がん死亡率は概して減少傾向にあるにもかかわらず、将来増加に転じる可能性を示唆していると、研究班が4日、警鐘を鳴らした。
調査の報告書は同日、英医学専門誌「ランセット(Lancet)」で発表された。これによると、肥満が危険因子の一つであることが判明しているがん6種の発症率が、1995年から2015年にかけて50歳未満の男女で上昇。また調査が行われた各年のがん発症率の上昇幅を年齢層ごとに比較してみると、対象者中最も若い25~29歳の層が最大だったという。
米国では過去40年間に、肥満患者数が2倍以上に増加。ただ米国では近年、肥満度を示す体格指数(BMI)を用いる医師は半数に満たないとされる。研究班は、患者らを直接診察する医師らに対し、より積極的な肥満度チェックの実施と、重度の肥満によるがんの発症リスクに関する注意喚起を呼び掛けている。
報告書の主執筆者で、米国がん協会(ACS)のヒョナ・ソン(Hyuna Sung)氏は、「ここ数十年間で、米国人の食事の質が悪化している」と指摘。20~49歳で見ると、果物や野菜、全粒穀物が不足する一方で、塩分やファストフード、糖質の多い飲料の摂取過多が認められる人が半数以上に上っているという。(c)AFP/Marlowe HOOD