子宮頸がんワクチン、「根拠のないうわさ」が接種妨げ WHO研究所
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【2月4日 AFP】「世界がんの日(World Cancer Day)」に当たる4日、世界保健機関(WHO)本部直轄の研究所「国際がん研究機関(International Agency for Research on Cancer、IARC)」は声明を発表し、「根拠のないうわさ」が世界で毎年30万人以上の女性が死亡する原因となっている子宮頸(けい)がんの減少を妨げており、主な発症原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防止するワクチンについて「有効性と安全性をはっきりと確認している」と訴えた。
IARCは声明で、「HPVワクチンに関する根拠のないうわさが子宮頸がんの予防に急務とされているワクチン接種の拡大を不必要に遅らせ、妨げている」と指摘。
HPVは主に性交渉を通じて感染し、がんによる女性の死亡原因として4番目に高い子宮頸がんは世界で2分に1人の割合で女性の命を奪っている。
IARCによると、2018年には世界で50万人以上の女性が子宮頸がんと診断されており、ワクチン接種をはじめとする予防対策が強化されなければ、子宮頸がんによって年間最大46万人が死亡する状況が2040年まで続く可能性もあるという。
WHOは少女全員にワクチン接種を勧めているほか、成人女性にもがんリスク軽減のためスクリーニング検査などを推奨している。ワクチンは9歳から14歳の間に接種するのが最も効果的だという。
また国によってはHPV拡大を阻止するため、男子にワクチン接種を勧めているところもある。
ただ、専門家らがHPVワクチンの安全性を繰り返し指摘しているにもかかわらず、ワクチンには慢性疲労症候群や多発性硬化症といった副作用の可能性があるとのうわさから、現実には多くの人が接種を控えている。(c)AFP