【2月2日 AFPBB News】天狗(てんぐ)が通りを練り歩き、商売繁盛を祈願する節分行事の「下北沢天狗まつり」が、東京・世田谷区で開催されている。1日夜は、山伏たちを従えた烏天狗(からすてんぐ)が地元の商店街に出没する「露払いの儀」が行われ、飲食店でグラスを傾ける客たちを驚かせていた。

 天狗まつりは今年で87回目。主催の下北沢一番街商店街振興組合によると、天狗をまつった寺で行われた信者たちの節分会をきっかけに、昭和初期からまつりが始まったという。1964年の東京五輪の際には、路上での開催を禁止されるなど規模が縮小された時代もあったというが、「若者の街」と思われがちな下北沢にあって、意外と歴史は古い。

 烏天狗が「カランコロン」とげたを響かせ歩くと、次第に人だかりができ、太鼓やほら貝を伴奏にしたにぎやかな道中になった。同組合の岩田正吾さん(52)は、「皆さんに福が来ますように。面は少し怖いかもしれないけど」と、泣き出す子どものそばで申し訳なさそうに話した。

 2日には、烏天狗や山車に加え、大天狗、かみしも姿の福男・福女の約60人が列をなして歩き、「鬼は外」とは言わず「福は内」と3回唱えながら豆をまく。(c)AFPBB News