役員室から拘置所へ ゴーン被告、勾留中もCEOの威厳変わらず
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【2月1日 AFP】日産自動車(Nissan Motor)前会長のカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)被告(64)は、取締役会を取り仕切る役員のようにインタビューを始めた。
ゴーン被告は、AFPと仏日刊紙レ・ゼコー(Les Echos)の記者2人に対し、まるで言うことを聞かない株主たちを律するかのように「あまり時間がないので、始めよう」と切り出した。
しかし、ここは役員会議室でも、ビジネスミーティングの場でもない。ここは、ゴーン被告が自身のプライベートジェットに突入した検察官らによって逮捕されて以降、勾留されてきた東京拘置所の10階だ。
世界一の販売台数を誇る自動車メーカー連合の元トップであるゴーン被告は、黒い運動着に半透明のプラスチック製スリッパを履き、堂々とした様子で面会室に姿を現した。
ゴーン被告は、11月19日の逮捕以降初となる外国メディアとの英語インタビューに、はっきりと自信のある口調で応じた。
面会は約6平方メートルの部屋で行われ、ゴーン被告と記者は仕切りで隔てられた。立ち会った拘置所職員2人のうち1人は木製の机でメモを取り、もう1人は所定の面会時間15分を正確に計っていた。
ゴーン被告は痩せた様子はなかったが、生え際に白髪が増え、髪はやや乱れていた。話す間も相手から目線をそらさず、その言葉には落ち着きがありながらも怒りと熱がこもっていた。
ゴーン被告は家族についても語った。勾留で最もつらいのは娘たちや妻のキャロル(Carole Ghosn)さんと話せないことで、29歳になった長女の誕生日を祝えなかったのは初めてのことだったという。ただ、たとえ勾留されていようとも日本と日産には愛情を持っていると語った。
被告はまた、勾留の詳しい状況について初めて説明。寝ている間も照明がつけられ、時計もなく「時間の感覚がなくなっている」と述べた。外へ出られるのは屋上に30分だけで、新鮮な空気を「心底」欲していると話し、「確かに私は強い人間だが、もちろん疲れている」と語った。