南太平洋ニウエ、たった一羽のカモの「トレバー」 犬に襲われ死ぬ
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【1月29日 AFP】南太平洋の小さな島国ニウエで、「世界一孤独なカモ」として知られたマガモのトレバー(Trevor)が犬に襲われて死んだことが明らかになり、島は悲しみに包まれている。トレバーの死を悼む声は国内だけでなく、海を越えてニュージーランドからも寄せられた。
マガモのトレバーが一躍有名になったのは昨年、水たまりのそばに作られたトレバーの巣をニュージーランドの記者が発見したことがきっかけだった。巣は地元の人々の道しるべになっていた。
ニウエはニュージーランドの北東およそ2400キロに位置する小さな島国だ。サンゴ島としては世界最大規模だが、島には自然の池や湿地はなく、1年前にトレバーが姿を現すまで島にマガモはいなかった。トレバーは嵐でニュージーランドから吹き飛ばされて来たのではと考えられている。
豪ABCによれば、トレバーは早速、道路脇に大きな水たまりを見つけて巣を作った。その後は消防局員らが定期的に水を補給していたという。
しかし、悲しいことにトレバーのニウエでの暮らしは長くはなかった。トレバー専用のフェイスブック(Facebook)ページで、トレバーが先週末に犬に襲われ、茂みから死骸が見つかったことが明らかにされた。
ニウエ商工会議所幹部のレイ・フィンリー(Rae Findlay)氏は27日、ABCのインタビューで「ニウエにとって悲しみの時だ」とコメント。「ニウエ国民1600人と毎年ニウエを訪れる観光客たち9000人がトレバーに夢中だった」「トレバーはみんなの心をつかんでいた。間違いなく惜しまれるだろう。今日は、ニワトリやコバネクイナまでが、トレバーの巣があった水たまりの周りを寂しげに歩き回っていた」と述べた。
マガモ(マラード)のトレバーという名は、ニュージーランドのトレバー・マラード(Trevor Mallard)下院議長にちなんだものだが、マラード議長も「ニュージーランド議会はニウエの人びとに対し、心からお悔やみを申し上げる」とトレバーのフェイスブックで弔意を寄せた。(c)AFP