【1月29日 AFP】米国主導の有志連合の支援を受けてイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」と戦うクルド人主体の民兵組織「シリア民主軍(SDF)」の上級司令官は28日、ISの支配地域はシリア東部の4平方キロメートルにまで縮小していると述べた。

 SDFは4か月余り前からIS最後の拠点に攻勢を掛けており、作戦は最終段階に入っている。シリアのバグズ(Baghouz)でAFPの取材に応じたこの地域のSDF司令官ヘバル・ロニ(Heval Roni)氏は、ISは戦闘員が減少する中、イラク人を中心とする指揮官らの下でユーフラテス渓谷(Euphrates Valley)の集落数か所の支配を維持しようとしていると説明。「地理的に言えば、ISの支配地域はバグズからイラク国境までのわずか4平方キロしか残っていない」と述べた。

 一方、同司令官は、ISの最高指導者アブバクル・バグダディ(Abu Bakr al-Baghdadi)容疑者の情報はないとした。同容疑者は生存しているとみられ、世界で最も行方が注目される指名手配犯となっている。

 SDFの最高司令官は先週、AFPとのインタビューで、ISとの戦いは終了に近づいているものの、一帯を制圧して勝利宣言するには1か月ほどかかると述べていた。

 在英NGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、この作戦が始まった昨年9月10日以降、IS側に1200人以上、SDF側にそのおよそ半数の犠牲者が出た。民間人の犠牲者は400人を超えており、その多くは米国主導の有志連合の空爆で死亡したという。(c)AFP