【1月29日 AFP】米国のザルメイ・ハリルザド(Zalmay Khalilzad)アフガン和平担当特別代表は、米国とアフガニスタンの旧支配勢力タリバン(Taliban)が和平協定の枠組みの草案を策定し、アフガニスタンとの和平協議への道が開かれる可能性を示唆した。米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が28日、ハリルザド氏の発言を引用して報じた。しかし停戦や外国軍の撤退など、和平の実現のハードルは依然として高い。

 タイムズ紙が報じたハリルザド特別代表のコメントは、米高官としてタリバンとの協議の進展をこれまでで最も明確に示した格好となり、17年続いたアフガン戦争の終結に向けた交渉で突破口になるとの期待を高めている。

 ハリルザド氏は27日、アフガニスタンの首都カブールに到着しアフガニスタン当局にタリバンとの協議の進行状況を報告した。タイムズ紙の報道によると、ハリルザド氏は「われわれには今後の合意に向け具体化させる必要のある、枠組みの草案がある」と語った。

 在カブール米大使館の発表によると、ハリルザド氏はアフガニスタンの報道機関に対し、米政府とタリバンは「非常に重要な問題の幾つかについて、大筋で合意」したと述べ、さらに同氏はアフガニスタン国民が「好機をつかむ」べきだと強調した。

  それでも米軍撤退の計画案や停戦については合意は依然として成立していない。これらの重要な問題のためこれまでの和平交渉の試みは失敗に終わっている。(c)AFP