【1月28日 AFP】仏パリで27日、反政権運動「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト、gilets jaunes)」の暴力行為に抗議するデモが行われ、1万人以上が参加した。参加者が赤いスカーフなどを身に着けてデモ行進するこの対抗運動は「フラール・ルージュ(赤いスカーフ、foulards rouges)」と呼ばれている。

 黄色いベストによるデモは昨年11月以来、11週間にわたって毎週土曜日に行われており、警察との激しい衝突に発展することも多い。エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は収束に向けて譲歩策を示したり、対話の機会を設けたりしている。

 赤いスカーフのデモ隊はこの日、雨が降りしきる中、パリ市内のナシオン(Nation)広場からバスチーユ(Bastille)記念碑まで行進。フランス国旗と欧州旗を振りながら、「民主主義にウィを、革命にノンを」と連呼する人もいた。

 中道派によるこの運動は、黄色いベストの一部の過激グループによる暴力行為に恐怖を覚えたという南西部トゥールーズ(Toulouse)の技師が発案した。参加者の多くは、貧困層への支援拡充という黄色いベストの要求自体は反対しているのではなく、衝突や破壊行為に嫌気が差していると説明している。

 デモ行進を呼び掛けたローラン・スーリエ(Laurent Soulie)さんは、参加者は「10週間自宅でじっとしていたサイレント・マジョリティー(物言わぬ多数派)」の代表だと述べている。(c)AFP/Marc PRÉEL and Katy LEE