【1月27日 AFP】26日に行われた全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2019)女子シングルス決勝で、大坂なおみ(Naomi Osaka)との激闘の末に涙をのんだペトラ・クビトバ(Petra Kvitova、チェコ)は、試合に敗れた悔しさはあると認めながらも、2年前の襲撃事件から復活を果たした自分自身を勝者のように感じると話した。

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 ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)で2度の優勝経験を誇るクビトバは、2016年末に強盗に刃物で襲われ利き手を負傷したが、選手生命の危機を見事に乗り越えてきた。医師には当初、競技に復帰できる可能性はわずか10パーセントしかないと言われていた28歳は、四大大会(グランドスラム)決勝の舞台に到達したこと自体が大きな成功だと言う。

 クビトバは6-7(2-7)、7-5、4-6で大坂に敗れた試合後、「きょうは本当に悔しい。勝ちたかったし、トロフィーを手にしたかった」と述べ、「でも私はすでに2年前に勝利したと思う。クレイジーだし、再びグランドスラムの決勝でプレーできたということがとても信じられない」「本当に多くのことを乗り越えてきた。それもあまり良いものではなかった」と続けた。

 またクビトバは、2時間27分に及んだ決勝で自身にもチャンスがあり、少しの重要な場面が勝敗を決したと考えている。

 第1セットは5本のブレークポイントのチャンスを逃すと、タイブレークの末に大坂に奪われたクビトバだったが、続く第2セットは持ち前の闘争心を呼び起こし、ゲームカウント3-5で迎えた3度のチャンピオンシップポイントをしのぐと、決着を最終セットに持ち込んだ。

 それでも、第3セットでは大坂に立て直され、決定的なブレークを許したクビトバは「もし流れを変えることができれば勢いは自分の方にあると思っていたが、結局はそうならなかった」「あまり悪いプレーをしたとは思わないが、もう少し攻撃的にいけたラリーもあったかもしれない」と付け加えた。(c)AFP/Neil SANDS