【1月26日 AFP】インド西部グジャラート(Gujarat)州で、昨年10月に落成した世界一高い182メートルの像「統一の像(Statue of Unity)」を訪れる観光客向けの水上飛行機を運行するため、地元の森林管理当局が約300頭のクロコダイルを移動させる作業を始めた。

 最大で全長3メートルほどのクロコダイルは金属のケージに誘い込まれ、ピックアップトラックで州内の別の場所に運ばれている。

 地元森林管理当局によると、統一の像を訪れる観光客が増加しており、安全のためワニを移動させるよう州政府から指示があったという。水上飛行機の乗降桟橋の建設が予定されている貯水池からこれまでに約十数頭を捕獲したと、関係者はAFPに語った。

 インド独立の英雄、サルダール・バラブバーイー・パテル(Sardar Vallabhbhai Patel)をかたどり、高さは米ニューヨークの「自由の女神像(Statue of Liberty)」の2倍を超える統一の像は、ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相の肝煎りで総工費299億ルピー(約462億円)をかけて建造された。

 ただ、絶滅の危機にひんしたクロコダイルを移動させることを疑問視する声も上がっており、州の野生動物保護当局者は、移動させる前に徹底的な科学的検討をすべきだったと指摘した。

 統一の像は、グジャラート州の主要都市アーメダバード(Ahmedabad)から200キロ以上離れたナルマダ(Narmada)地区にある。鉄道が整備されていないため大半の観光客は約100キロ離れた最寄りの都市バドーダラー(Vadodora)からバスで訪れている。(c)AFP