英女王、EU離脱めぐり「共通の立場を」 団結の重要性強調
このニュースをシェア
![英女王、EU離脱めぐり「共通の立場を」 団結の重要性強調](https://afpbb.ismcdn.jp/mwimgs/4/f/810wm/img_4f85bf82324d6f6f5305ae825e56a5d0334105.jpg)
【1月26日 AFP】英国のエリザベス女王(Queen Elizabeth II、92)は24日夜、英国民は「団結して共通の立場を見いだす」必要があると強調する発言をした。欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)をめぐる厳しい分断を乗り越えるよう訴えたものとみられている。
女王が政治に踏み込む発言をするのは異例のこと。閣僚らは直ちに反応し、EU離脱をめぐる妥協点を必死に模索する取り組みが女王から大枠で支持されたとの解釈を示した。
3月29日のEU離脱が2か月後に迫り情勢が不安定化する中、一部議員らは女王に対し、より力強く介入し、国民の将来への不安を静めるよう求めている。
女王の発言は、こうした声に間接的に応じたものとみられる。
女王はイングランド東部サンドリンガム(Sandringham)の別邸近くで、自身が参加する団体「ウィメンズ・インスティテュート(WI)」の会員らに対し、「現代において新たな答えを探し求めるとき、私個人としては、十分に試されてきた方法を好む。例えば、互いをたたえ、自分と異なる視点を尊重することや、団結して共通の立場を見いだすこと、大局的な見方を常に保つことだ」と述べた。
さらに女王は「私は、こうした方法は時代を超えたものだと思っている。皆さんにも勧める」と続けた。
英国の王族は政治に関わることを避ける傾向があり、とりわけ国家元首である女王は、公の場で慎重に中立を保っている。
一部の保守党議員は、女王はEU離脱の延期や妨害を図る法律の制定を阻止できると指摘している。
だが、理論上、英国の君主には広範な権限があるものの、その権限が行使された例は現代ではほとんどなく、立法を阻止するような行為は大きな論争を引き起こすことになる。(c)AFP/Dario THUBURN