【1月25日 AFP】米ナショナルフットボール(NFL)は24日、試合の安全性を維持するために行われたルール変更の結果として、2018年シーズンに脳振とうを起こした選手の人数が前年比で30パーセント近く減少したことを明らかにした。

 NFLの公式ウェブサイトで報告された数字によると、今季のレギュラーシーズンで脳振とうと診断された選手は、2017年シーズンの190人から135人に減り、29パーセントの減少となった。プレシーズンの試合を含めると、昨季の281人から214人まで少なくなったという。

 脳振とうの数が急激に減ったのは、今季から導入された新ルールによって、タックルもしくは被タックルの際にヘルメットから当たりに行くのは反則となったことを受けてのものとされている。NFLはまた、スピードに乗った状態での衝突数を減らすために、キックオフやパントリターンに関する規則も厳格化した。

 しかしながら、脳振とうの人数が減少した大きな要因がルール変更であるかどうかの判断について、リーグ側は慎重な姿勢を示した。NFLの医療担当者は、2018年シーズンから統計を取り始めたデータを数週間以内に分析し、数字が減少した直接の要因を解明することになっている。

 そうした中で、NFLはヘルメットの機能向上を促進するために、一部のヘルメットについて来季から段階的に使用禁止とする方針を打ち出している。さらには、これまで以上にサイドラインでの脳振とうの検査を実施していくことにしている。

 今季は538選手が脳振とうの可能性が疑われたが、そのうち75パーセントのケースは脳振とうとは診断されなかった。

 2015年には神経疾患に見舞われた元選手数千人による訴訟で、NFL側と10億ドル(約1120億円、当時のレート)の和解が成立している。(c)AFP