会場の至る所にカメラ ジョコビッチが全豪の「監視社会」を憂慮
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【1月23日 AFP】男子テニスで世界ランキング1位に立つノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が、今季の四大大会(グランドスラム)初戦、全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2019)の会場であるメルボルン・パーク(Melbourne Park)に大量のカメラが配され、舞台裏の選手の様子を映した映像が出回っていることに懸念を示した。
今大会では、他のグランドスラムの会場では見られないような場所にまでカメラが導入され、廊下を歩いたり、コートへ向かったりする選手の映像がとらえられている。
その多くはインターネットで公開され、SNSユーザーからは、なぜロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)やマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)のような有名選手さえも身分証明が必要なのかといった疑問の声が上がっている。もっとプライベートなものもあり、女子のペトラ・マルティッチ(Petra Martic、クロアチア)は、3回戦敗退後に泣き崩れる様子を撮られた。
こうした状況に、ATP選手協議会(ATP Player Council)の会長を務めるジョコビッチは、選手のプライバシー、特にリカバリー設備と控室を移動する女子選手のプライバシーが守られるのか心配だと口にした。しかし同時に、その点が解決済みなのであれば、受け入れるしかないとも話している。
「唯一それが少しだけ気になっている。ただそれ以外の部分に関しては、われわれは超監視社会に生きているのだから、受け入れるしかないのかなと思う」
フェデラーも、オフの時間にまでカメラが入り込んでくるのは気分が良いものではないと認めつつ、スター選手たちは今や一挙一動をカメラに収められるのに慣れていると話している。
「今ではいつでもどこでもそういうものだ。ちょっとリラックスする場所を見つけるのも難しいが、私は対応できている。何も問題はないよ」 (c)AFP