【1月23日 AFP】安倍晋三(Shinzo Abe)首相とロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は22日、ロシアの首都モスクワで会談したが、北方領土問題の交渉の打開には至らなかった。日ロは北方領土問題のため第2次世界大戦(World War II)の正式な終結と平和条約の締結ができないままでいる。

 安倍・プーチン両氏が会談を行った回数は2013年以降、これで通算25回目となる。領土問題をめぐる対立にもかかわらず、両首脳が協力関係の構築に取り組んできたことを浮き彫りにするものだ。

 プーチン大統領は会談後記者団に対し、両国間にはいかなる合意を締結する前にも「細かな作業」が残されているとしたものの、首脳会談については「有益で実りある」ものだったと称賛した。1956年の日ソ共同宣言について「何よりもまず平和条約の締結を明記している」とし、同宣言に基づいた交渉プロセスの確立に依然として関心があることを認めた。

 安倍首相は共同記者会見で、両首脳が互いに何も隠さず平和条約を協議したとし、この取り組みを力強く進めていくことで合意したとの考えを示した。

 安倍首相はモスクワ訪問後、スイス・ダボス(Davos)を訪問し、同地で開催されている世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)で演説する。(c)AFP/Maria PANINA