世界の地下水に「環境の時限爆弾」、研究論文で警告
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【1月22日 AFP】世界の地下水系は気候変動による現在の影響に反応するのに長時間を要するため、未来の世代は「環境の時限爆弾」に直面すると警告する研究論文が21日、発表された。
地表面下の土、砂、岩などの隙間に存在する地下水は、人類が利用可能な地球上で最大規模の淡水源で、20億人以上が飲用水やかんがい用水を地下水に依存している。
地下水は降雨を通じてゆっくりと補充され、湖、河川、海などへの排出で流入と流出の間の全体的なバランスを保っている。地下水に水が補充されるプロセスは涵養(かんよう)として知られる。
地下水の埋蔵量は、世界人口の爆発的な増加とそれに伴う穀物生産量の増加を受け、すでに圧迫されている。
だが、英科学誌ネイチャー・クライメート・チェンジ(Nature Climate Change)に掲載された論文によると、干ばつや記録的豪雨(どちらも地球温暖化で悪化する)などの異常気象事象もまた、地下水の補充スピードに長期的な影響を与える可能性があるという。
国際チームは今回の研究で、地下水埋蔵量の気候変動への反応に時間尺度を設定するため、コンピューターモデル化した地下水のデータセットを使用した。
英カーディフ大学(Cardiff University)地球海洋科学部のマーク・カスバート(Bruce Cuthbert)氏は、地下水を「目に見えないものは忘れられる」と表現し、「これまであまり考慮の対象とならなかったが、この目に見えない巨大な資源は世界の食糧生産を支えている」と指摘した。
カスバート氏は、AFPの取材に「気候変動の観点では、現在受けている影響が、この実に長い時間の遅れを発生させる」と語り、「自然界にはメモリー(効果)があり、いくつかの場所ではそれがより大きい」と続けた。