【1月22日 AFP】欧州連合(EU)は21日、英国で昨年3月にロシアの元二重スパイらが神経剤で襲撃された事件に関与したとして、ロシア軍参謀本部情報総局(GRU)のトップを含むロシア人4人に対し、EUへの渡航禁止や資産凍結の制裁を科した。

 制裁対象者は、GRUのイーゴリ・コスチュコフ(Igor Kostyukov)長官とウラジミール・アレクセーエフ(Vladimir Alexseyev)副長官、実行犯の情報機関員2人。英南部ソールズベリー(Salisbury)での襲撃で神経剤の「所持、輸送、使用」を画策するなどしたとされる。

 情報機関員2人については昨年、アレクサンドル・ミシュキン(Alexander Mishkin)、アナトリー・チェピーガ(Anatoly Chepiga)両容疑者と特定されたと報じられていたが、EUの制裁命令の中でそれが確認された。

 情報機関員2人への制裁は予想されていたが、EUは今回、GRU幹部も標的にするという踏み込んだ措置を取った。

 ロシア外務省はEUの決定に激しく反発し、ロシア政府関係者にかけられている嫌疑は英国が自国の外交目的ででっち上げたものだと主張。「この非友好的な措置をめぐって、われれれは報復措置を取る権利を留保している」と警告した。(c)AFP