【1月21日 AFP】日ロ首脳会談を2日後に控えたロシアの首都モスクワで20日、日本への北方領土返還に反対するデモ集会が開かれ、数百人が参加した。

 国粋主義の政治家数人の呼び掛けによるこの集会は、当局の許可を受けた上で、市中心部に近いスボロフスカヤ広場(Suvorovskaya Square)で開かれ、300~500人が参加して北方四島の引き渡し反対を訴えた。

 先週の日ロ外相会談に続き、安倍晋三(Shinzo Abe)首相は22日、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と会談し、北方領土問題について話し合う予定だ。

 ロシア政府は、北方領土の主権は交渉材料ではなく、クリール諸島(Kuril Islands、北方領土と千島列島)は今後もロシアの領土となるとしているが、国内では多くの人が政府の公式見解を信用せず、水面下で別の交渉が行われていると疑っている。

 AFP記者によると、参加者の中には「クリール諸島はロシアの領土」「クリール諸島の引き渡しは国家への反逆」などと書かれたプラカードを掲げている人もいた。

 ロシア政府は2014年にウクライナからクリミア(Crimea)を併合して以来、国民の間で高まる愛国意識の波に乗っており、日本との間で領土問題をめぐる妥協案での合意形成を試みれば反発を招く可能性が高い。(c)AFP