【1月20日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は18日、月探査の取り組みで中国国家航天局(China National Space Administration)と連携していることを公表した。

 NASAのトーマス・ザブーケン(Thomas Zurbuchen)科学局長はこの日ツイッターに、「NASAは必要な承認を連邦議会から得た上で、中国の無人探査機『嫦娥4号(Chang'e-4)』による月着陸の痕跡を米国の宇宙船の装置で観測できるか、中国側と協議してきた」と投稿した。

 ザブーケン氏の投稿は、中国の月探査計画で副責任者を務めている呉艷華(Wu Yanhua)氏が14日に公表した内容を裏付けるもの。呉氏は、NASAが米国の衛星で収集した情報を共有する一方、中国は米国側に緯度や経度、着陸時間について「良いタイミングで」伝えたことを明らかにしていた。

 当初はNASAの無人月探査機「ルナー・リコナイサンス・オービター(LRO)」が、今月3日の嫦娥4号による歴史的な月着陸を観測することを期待し、NASAはLROの予定軌道経路について中国側に知らせたものの、位置とタイミングが合わないことが判明。「さまざまな理由により(嫦娥4号の)着陸時にLROの軌道をベストの位置に調整することはできなかった」という。

 それでもLROは1月31日、嫦娥4号の着陸地点上を通過する際に画像を撮影する予定となっている。

 今回の連携の主な成果は、2月にオーストリアで開かれる、宇宙に関する国連(UN)の会議で世界の研究者らに発表するという。(c)AFP/Ivan Couronne