【1月19日 AFP】米国とメキシコが国境問題をめぐってにらみ合いを続ける中、メキシコ最大の航空会社アエロメヒコ(Aeromexico)が、メキシコ人の血を引く米国人を対象とした「DNA割引」の導入を発表した。

 同社は今週、メキシコへの偏見を払拭(ふっしょく)し、米国人に南の隣国への旅行を促す内容のコマーシャルを開始。CMは、ソーシャルメディアで拡散した。

 同社によると、血液検査で利用者のメキシコ人の遺伝子を特定し、その割合に応じて運賃を割り引くという。CMには、「メキシコ人にとって、最初に訪れる地は米国。でも米国人が最初に訪れる地はメキシコではない」というナレーションが入っている。

 CMには、米テキサス州の町で複数の地元住民にメキシコ旅行について行ったインタビューも収録。「メキシコに行ってみたいと思いますか?」との質問に、「あり得ない!」と回答した女性もいたが、メキシコ人の遺伝子を一定の割合で含んでいるので割引対象だと告げられると、乗り気になった回答者もいた。

 あるツイッター(Twitter)ユーザーは、「外国人嫌いの米国人の中から、自分たちの大半が別の国にルーツを持ち、本当の『米国人』なんてほとんどいないことに気付く人が出てくるかも」と投稿している。

 AFPはアエロメヒコに対し、メキシコ人の遺伝子の判定法の詳細について取材を試みたが、回答は得られなかった。(c)AFP