【1月18日 AFP】地球や月に衝突する小惑星の数が、恐竜時代以降に2~3倍に増加しているとの研究結果が17日、発表された。恐竜は1個の巨大な隕石(いんせき)の衝突によって地球から永遠に姿を消した。

 米科学誌サイエンス(Science)に掲載された論文によると、この衝突発生ペースの増大が始まったのは2億9000万年前頃で、火星と木星の公転軌道の間にある小惑星帯で何らかの大規模な天体衝突が起きた時期と重なる可能性が高いという。

 この天体衝突で発生した残骸の一部が地球と月に向かって進んでいった結果、小惑星の衝突率が2億9000万年前より前の衝突率より2.6倍高くなった。

 論文の共同執筆者で、英サウサンプトン大学(University of Southampton)地球科学部のトム・ガーノン(Tom Gernon)准教授は、AFPの取材に「これらの衝突は、隕石の雨を地球に送り込む。この雨はピークに達した後、時間とともに弱まる可能性が高い」と語った。

 今回の研究では、小惑星衝突の増加と、古代の地球で発生した生物相を変える重大事象を直接的に結び付けてはいない。

 このような重大事象の一つで、約2億5200万年前に起きたペルム紀(Permian era)絶滅では、地球上の生物の最大90%が死滅したが、その原因は不明とされている。

 恐竜絶滅については、巨大小惑星が主な原因と考えられている。約2億4500万年前に現れた恐竜は、6500万年前に姿を消した。