【1月18日 AFP】土星の輪はこれまで考えられていたよりも新しく、1000万から1億年前の間に形成されたとする研究論文が17日、発表された。米航空宇宙局(NASA)の無人探査機カッシーニ(Cassini)の観測結果に基づく研究だ。

【写真特集】土星 ─ 氷の輪に囲まれた巨大ガス惑星

 太陽から6番目に遠い惑星の土星は、系内の他の惑星と共におよそ45億年前に誕生したが、土星の特徴でもある輪を伴う現在の姿になるまでには、長い時間がかかったことを示唆する結果だ。

 天文学者たちはこれまで、土星の輪は星本体よりも新しく、おそらく土星の衛星間で起きた衝突、もしくは近傍で粉々になった彗星(すいせい)によってできたと考えられていた。

 それらの説のいくつかは、米国と欧州が共同で開発した無人探査機カッシーニによってより鮮明になった。カッシーニは1997年に打ち上げられ、2017年に計画通り土星の大気圏に突入し、20年にわたる運用が終了した。運用終了を前に、カッシーニは土星にこれまでになく最接近し、土星と輪の間を22回周回することに成功した。

 科学者らは今回、カッシーニの飛行経路が土星の輪の重力によってどのように変化したかを調べることで、輪の質量とその形成時期を推測した。惑星の輪は時間とともに多くのちりや天体の破片などを集積するため、小さな質量は輪の若さを示唆するという。輪の大半は氷で形成されている。

 研究は土星の輪がどのように生まれたのかについては掘り下げていないが、彗星や衛星の衝突によってできたという仮説を支持するものとなった。(c)AFP