英首相 「合意なき離脱」の可能性あると強調、代替案策定に奔走
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【1月18日 AFP】英国のテリーザ・メイ(Theresa May)首相は17日、欧州連合(EU)と合意した英国のEU離脱(ブレグジット、Brexit)協定案が今週議会で否決されたことを受け、野党議員らと個別に協議し代替案の策定に奔走した。英国に不利になる恐れのある「合意なき離脱」についてはその可能性を排除できないと強調した。
世界第5位の経済大国である英国の政治は混迷を深め、EU離脱予定日が2か月半後に迫る中、46年加盟していたEUから円滑に離脱する道を模索している。欧州の各国政府は英政府が代替案をまとめられず貿易障壁が高くなる場合に備え、各港湾・空港で物流が停滞する事態を回避する方策を実施し始めた。
メイ首相がEUと合意した離脱協定案は15日に大差で否決された。これを受けて出されたメイ政権の不信任案決議は僅差で否決された。その後政府は野党各党の議員らとの個別協議に入った。
だが最大野党・労働党のジェレミー・コービン(Jeremy Corbyn)党首は協議を「茶番」と評し、合意なき離脱の可能性をメイ首相が排除するまで、首相との協議を拒否すると表明した。
メイ首相は17日の同党首宛ての書簡で、離脱そのものを中止するのでなければ合意なき離脱の可能性を排除することは「不可能」との見方を示した。
メイ首相は21日に下院に代替案の動議を提出する見通し。同案に対し議員らは、本格的な議会審議が予定されている29日までに修正案を提出できる。英国のEU離脱は29日からちょうど2か月後となる3月29日に予定されている。
来週にはスイス・ダボス(Davos)で世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)が開かれるが、英首相官邸は17日、メイ首相はEU離脱をめぐる協議に注力するため参加を取りやめると発表した。(c)AFP/Dmitry ZAKS