【1月18日 AFP】(更新)南米コロンビアの首都ボゴタで17日、警察学校を狙った自動車爆弾による攻撃があり、警察によると実行犯を含む少なくとも21人が死亡、68人が負傷した。コロンビア政府は3日間の服喪を宣言した。

 攻撃があったのはボゴタ南部のフランシスコ・デ・パウラ・サンタンデル将軍警察学校(General Francisco de Paula Santander Officer's School)で、ちょうど生徒の昇進式が行われていたところだった。国軍関係者は地元ラジオ局に対し、車が「(学校構内に)突然進入し、警官らをひきそうになった後、爆発が起こった」と説明している。

 国防省は、爆発物80キロを搭載した車を使った「テロ行為」があったと発表。イバン・ドゥケ(Ivan Duque)大統領は、国民に向けた演説で、国境や大都市の出入りへの警戒を厳重にするよう命じたことを明かし、「このテロ攻撃の首謀者と共犯者を特定する捜査を最優先で行うよう求めた」と述べた。

 犯行声明は出ていないが、司法当局は死亡した実行犯をホセ・アルデマル・ロハス・ロドリゲス(Jose Aldemar Rojas Rodriguez)容疑者と特定。犯行に使われた四輪駆動車は7月にベネズエラ国境近くの事業所で車検にかかってたという。ベネズエラ国境付近は、コロンビアの左翼ゲリラ「民族解放軍(ELN)」が拠点としている。

 世界最大のコカイン生産国で、半世紀以上にわたり武装勢力との闘争が続くコロンビアでは、昨年8月に就任した右派のドゥケ大統領がマルクス主義武装勢力や麻薬取引組織に対する強硬路線を推し進めてきた。

 フアン・マヌエル・サントス(Juan Manuel Santos)前大統領は2016年、左翼ゲリラ「コロンビア革命軍(FARC)」と歴史的な和平合意に至り、FARCは政党へと転身している。ただ、同国に残る唯一の武装勢力とされているELNとの和平交渉は、サントス政権下で行き詰まったまま再開されていない。(c)AFP