【1月17日 AFP】やりたい放題の不品行を働き、普段はおおらかなニュージーランド国民を激怒させた英国人観光客の一家が、「ブタにも劣る」などと非難され、さらには国外退去の危機に直面している。

 この一家はオークランド(Auckland)とハミルトン(Hamilton)、およびその周辺で、ごみを散らかしたり、暴力を振るったりした他、無銭飲食や脅迫行為など、一連の事件に関与したという。

 オークランドのフィル・ゴフ(Phil Goff)市長は警察に対応を求めるとともに、一家の悪行に対する全国規模の抗議を主導。

 ゴフ市長は地元ラジオ局に対し、「やつらは人間のくず、蛭(ヒル)だ」と非難。「誰かが『料理の中に髪の毛やアリを見つけた』と一度だけ言うならば、信じるだろう。だがこの家族は支払いを避ける方法として、すべての料理に髪の毛やアリを見つけたとしていた。これは犯罪行為だ」と述べ、「やつらはブタにも劣る。ニュージーランドから出て行ってもらいたい」と話した。

 入国管理当局の幹部は、「品性に関わる問題」を理由に、一家には国外退去が通知されたと述べた。

 26歳とされる家族の一人は16日、ガソリンスタンドから55NZドル(約4000円)相当の商品を盗んだ容疑を認めている。

 また一家がビール箱やボトルなどのごみを人気ビーチにまき散らす映像が登場すると、国内メディアが家族について大々的に報道。

 映像では、ある女性が家族にごみの後片付けを求めたところ、一家の子どもが「頭をかち割るぞ」と脅した様子が捉えられている。

 さらに地元メディアによると、コメントを求めた記者が近づくと、一家の女性から靴で殴られたという。

 家族の一人は日刊紙ニュージーランド・ヘラルド(New Zealand Herald)に対し、休暇を切り上げることに決め、今週帰国する予定だと説明。

 また、自分たち一家は家柄が良く、祖父は「イングランドで10番目の金持ち」だったと主張しつつ、ニュージーランドでは「かなり歓迎されていない」と感じざるを得なかったと話している。(c)AFP