イランテレビ局キャスター、米国で拘束 イスラム教に改宗した米出身女性
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【1月17日 AFP】イランの英語衛星テレビ局プレスTV(Press TV)は16日、同局の米国生まれの女性キャスターが、息子と共に米国で身柄を拘束されたと発表した。拘束理由は不明。
プレスTVが家族や友人の話として報じたところによると、マルジェ・ハシェミ(Marzieh Hashemi)氏は13日、米セントルイス・ランバート国際空港(St Louis Lambert International Airport)に到着した際に拘束された。
ハシェミ氏はイスラム教に改宗する前の名前をメラニー・フランクリン(Melanie Franklin)といい、「病気の兄弟や家族に会う」ため渡米していたという。
プレスTVのペイマン・ジャバリ(Payman Jabali)社長はイランの首都テヘランで記者会見を開き、「知っての通り米国では、特にテロリズム対策で当局が嫌疑のない人物の身柄を拘束し、数週間にわたって留置できる。法的手段に訴えても、解放させる効果はないと思う」と指摘。ハシェミ氏の拘束理由について米国に説明を求めるとともに「この一件は、米国の民主主義と呼ばれるものをめぐるスキャンダルだ」と述べた。
ジャバリ氏は、ハシェミ氏が米国の中東での活動やイスラム嫌悪などを扱ったドキュメンタリー番組を制作していたため標的になった可能性があるとの見方を示している。
ジャバリ氏によると、拘束下でハシェミ氏に提供された食事はすべて、イスラム教で禁じられている豚肉が含まれていたという。
イランのモハンマドジャバド・ザリフ(Mohammad Javad Zarif)外相は16日、国営のアラビア語衛星テレビ局アルアラム(Al-Alam)で、ハシェミ氏拘束は米国による「容認できない政治的行為で、言論の自由を踏みにじるものだ」と批判。「米国人はただちにこの政治ゲームを終わらせなければならない」と述べ、ハシェミ氏の即時解放を要求した。(c)AFP