【1月16日 AFP】米国防総省は15日、「中国の軍事力(China Military Power)」と題する報告書を公表し、中国は世界最先端の兵器システムの実戦配備を間近に控えており、一部の兵器はすでに競争相手の国々を上回っているとの評価を示した。

【編集部おすすめ】台湾、独自開発の無人偵察機を初公開 中国との緊張高まる中

 報告書は同省の国防情報局(DIA)が作成したもので、中国は近年、軍事面で大幅な進歩を遂げており、同国の国内法がその一因だと指摘。同国企業と提携する外国の事業体は、巨大な市場への進出と引き換えに技術上の機密を漏らすことを法律で強いられていると説明した。

 さらに報告書は、中国は「あらゆる手段を尽くして技術を入手」した結果、幅広い技術で最先端に達しているとも指摘。その例として、軍艦設計、準中距離・中距離ミサイルや、音速の何倍もの速さで飛行し、防衛システムをかわすことのできる極超音速兵器を挙げた。

 報告書は「こうした多面的な手段で技術取得に取り組んだ結果、PLA(中国人民解放軍)は一部の最先端兵器システムを実戦配備する目前に達している」とした上で、中国軍は「一部の分野ですでに世界に先行している」との見方を示した。

 報告書はまた、中国の軍事力の増大は、同国が空、海、宇宙、サイバー空間での先進的な能力を備えていることを意味する可能性があるとし、そうした能力によって「中国は自国の意志を地域に押し付けることが可能に」なると指摘した。(c)AFP/Thomas WATKINS