【1月14日 AFP】干ばつに見舞われているオーストラリア東部の主要河川で魚が大量死しており、その数は100万匹に達するとも指摘されている。当局は14日、さらに多くの魚が死ぬ恐れもあると警告した。

 腐敗した魚で覆われているのが見つかったのは、マレー(Murray)川の河岸。ニューサウスウェールズ(New South Wales)州政府は、今週気温がさらに上がると予想されていることから、状況が悪化する恐れもあると警戒している。

 水位の低下と高温で藻が異常発生し、酸素不足や毒素発生につながっているという見方もある。

 地元住民からは、マレー川流域の枯渇と汚染は国の政策の問題だという批判の声も上がっているが、スコット・モリソン(Scott Morrison)政権は、魚の大量死の原因は干ばつにあるという見方を示し、政策に非はないと擁護している。

 一方で科学者らは以前から、かんがいなどの用途で制限もなく大量の水が使用されていることに警鐘を鳴らしてきた。

 オーストラリア国立大学(Australian National University)のクエンティン・グラフトン(Quentin Grafton)氏も、「かんがい設備の改善に巨額が費やされてきた」にもかかわらず「公共の利益につながっていない」と指摘。科学者らは、責任を問うべきは政治家らだと訴えている。(c)AFP