ベネズエラ国会議長、一時拘束される マドゥロ政権は関与否定
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【1月14日 AFP】南米ベネズエラで13日、ニコラス・マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領と対立する野党主導の国会のフアン・グアイド(Juan Guaido)議長(35)が、同国の情報機関に一時身柄を拘束された。議長は1時間ほどで解放されたが、マドゥロ政権はこの件については一切知らないと関与を否定している。
グアイド氏の妻によると、同氏は政治集会の会場に車で向かう途中、高速道路でベネズエラ情報機関「セビン(SEBIN)」の車両2台に挟まれ、武装した覆面の男たちに拘束されたという。
解放された後、大勢の支持者から歓呼の声で迎えられたグアイド氏は、「マドゥロ氏はもはや治安部隊を統制できていない。指揮系統が崩壊しているからだ」と指摘。「今、政権を指揮しているのは誰だ? 国の情報機関が統制下にないと政権が既に認めているならば、(大統領府の)ミラフロレス宮殿(Miraflores Palace)には深刻な問題がある」と述べた。
マドゥロ氏は10日、2期目の大統領就任式を行ったが、グアイド氏は11日、その正統性に疑義を呈し、マドゥロ氏を「簒奪(さんだつ)者」と非難。新たな選挙に向けた移行政権の発足を求めて23日にデモを行うと宣言するとともに、憲法に基づけば移行政権を率いる権限は自身にあると主張していた。
ベネズエラではマドゥロ氏が昨年5月の大統領選で再選したが、この選挙では有力な野党候補が立候補を認められず、自宅軟禁されたり国外逃亡を余儀なくされたりした。このため不正な選挙だと国内外から批判を受け、米国や欧州連合(EU)は選挙結果を認めていない。
マドゥロ氏は2016年に国会で野党が多数派を握ったことを受け、翌17年に自身の支持者らで構成された制憲議会を発足。国会の決定は全て政権寄りの最高裁によって無効化され、国会は実権を失っている。(c)AFP