【1月12日 AFP】(写真追加)家族の元からタイへ逃れ、第三国への亡命を申請していたサウジアラビア人女性のラハフ・ムハンマド・クヌン(Rahaf Mohammed al-Qunun)さん(18)について、カナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相は11日、自国への亡命を受け入れると発表した。

 当局はこれまで、クヌンさんがオーストラリアに亡命することを強く示唆しており、トルドー首相の発表は予想外の展開。クヌンさんは発表時、すでにトロントに向けて出発していた。

 トルドー首相は「カナダは世界の人権と女性の権利を擁護するとの立場を明確にしてきた」と述べ、「われわれは国連(UN)からクヌンさんの亡命を認めるよう求められ、受け入れた」と説明した。

 この決定により、カナダ・サウジアラビア間の緊張が高まるのは必至だ。カナダは昨年8月、サウジアラビアの人権問題を批判。サウジアラビアはこれに抗議し、同国駐在のカナダ大使を追放し、カナダとのすべての貿易・投資関係を断絶していた。

 クヌンさんは、ツイッター(Twitter)を通じて自らの窮状を訴えたことがきっかけで、タイから本国への強制送還を逃れていた。クヌンさんは家族から虐待を受けていると主張しており、人権団体もクヌンさんがイスラム教の信仰を放棄したためサウジアラビアで起訴される恐れがあると指摘している。一方の家族は虐待の事実を否定している。(c)AFP