【1月11日 AFP】速く、高く、そしてより神聖に──バチカン市国の陸上競技代表チームが10日、正式に発足した。司祭や修道女、法王を警護するスイス衛兵(Swiss Guards)などで構成され、五輪を含む国際競技大会への出場を目指す。

 伊オリンピック委員会(CONI)との合意を経て発足した陸上競技協会「バチカン・アスレチックス(Vatican Athletics)」は、ローマ法王庁(バチカン)初のスポーツ協会。バチカンに勤務する60人が加入する。

 会長に就任した高位聖職者のメルチョル・サンチェス・デ・トカ・イ・アラメダ(Melchor Sanchez de Toca y Alameda)氏は、「五輪の開会式で各国代表団の中にバチカンの旗が翻るのを見る日を、私たちはしばしば夢見てきた」と語った上で、五輪出場は「夢だが、すぐには難しい」と述べた。

 当面は、地中海競技大会(Mediterranean Games)など小規模な国際大会への出場を目指していく。代表チームはCONIとの合意に基づき、各国の国内大会や国際大会への参加が認められるほか、イタリア代表チームの指導を仰いだり医療設備を利用したりできる。発足式でお披露目された代表ユニホームは紺色で、交差した2つの鍵を描いた国章があしらわれている。

 チーム最年少の選手は19歳のスイス衛兵で、最年長はバチカン図書館(Vatican Apostolic Library)に所属する62歳の教授だ。アフリカから来て難民申請中の19歳と20歳のイスラム教徒の若者2人も、名誉メンバーとして加わっている。

 バチカンはすでに独自のサッカーチームとクリケットチームを持っている。(c)AFP