【1月11日 AFP】クロアチアは10日、イスラエルから中古のF16戦闘機を調達する計画が米国の承認を得られず破談になったと発表した。ダミル・クルスティチェビッチ(Damir Krsticevic)副首相兼国防相が同日、イスラエル代表団との協議後に明らかにした。

 クロアチアは昨年3月、ミグ21(MiG21)戦闘機の後継として、米国製の中古のF16戦闘機12機をイスラエルから購入することを決めていた。しかしクロアチア当局によると、米政府はイスラエルがアップグレードした電子装置の撤去を要求し、F16戦闘機の売却に反対したという。緊密な同盟関係にある米国とイスラエルが防衛分野で対立するのは異例。

 F16戦闘機12機の調達価格は、クロアチアの兵器調達としては、旧ユーゴスラビア連邦からの独立を宣言した1991年以降最大の5億ドル(約540億円)となるはずだった。クルスティチェビッチ氏によると、クロアチアは依然として「航空戦力を維持する政治的意思」を持っているという。

 クロアチアの戦闘機調達の国際入札には、イスラエルのほか、ギリシャ、韓国、スウェーデン、米国も参加していた。現地メディアによると、クロアチアが取り得る選択肢としては、次点入札者だったスウェーデンの戦闘機グリペン(Gripen)の調達に関する協議開始、新たな入札の実施、または米国との直接取引を試みることが考えられるという。(c)AFP