【1月9日 AFP】アルゼンチン首都ブエノスアイレスのすぐ北にある化石の発掘地で、先史時代に生息していたシカの化石が発見された。同国のラマタンサ大学(La Matanza University)が7日、明らかにした。保存状態は良いという。

 化石の正確な年代はまだ特定されていないが、背骨や四肢、歯など、シカの全身の約7割の部位が見つかった。同じ発掘地からは、哺乳類や爬虫(はちゅう)類の化石がこの17年間で24体分見つかっている。

 ブエノスアイレス州北部にあるサンペドロ古生物博物館(Paleontological Museum of San Pedro)のホセ・ルイス・アギラール(Jose Luis Aguilar)館長は「シカの脊椎や首が、生存当時のポジションを保っていたのは驚くべきことだ」と語った。化石は同館長が見つけた。

 このシカの骨格は、歯や脊柱がほぼ完全に揃っているだけでなく、肋骨(ろっこつ)20本以上、骨盤骨、後肢の骨、大腿(だいたい)骨の一部などが含まれていた。

 シカは、モレネラフス(Morenelaphus)の一種で、体重が最大で200キロに達した可能性もある。この種のシカではこれまで断片的な化石しか見つかっていなかった。

 今後、化石の年代を特定するための検査が実施される予定。この種の動物は約250万年前から1万2000年前まで続いた更新世に生息していた。(c)AFP