【1月6日 AFP】インド南部ケララ(Kerala)州にあるヒンズー教の聖地サバリマラ(Sabarimala)寺院への女性立ち入り許可に反対する暴動を受け、英国は5日、同州の英国人渡航者に注意喚起した。

 英政府は最新の渡航情報で、例年この時期、観光客に人気のある同州に滞在中の英国人に対し、「報道に注意し、警戒を怠らず、大勢の人の集まる場所を避けるよう」注意を呼び掛けた。

 サバリマラ寺院ではこれまで「月経年齢」とされる10~50歳の女性による立ち入りが禁止されていたが、インド最高裁は昨年9月にこの禁止を覆す判決を下した。以降、同寺院では伝統主義者と当局の対立が続いている。

 ヒンズー教の強硬派は数週間、丘の上に立つ同寺院への女性立ち入りを暴力を振るうなどして阻止。しかし2日未明、警察に付き添われた女性2人がついに寺院に足を踏み入れ、画期的な判決以降初めて女性として同寺院を参拝した。3人目となるスリランカ出身の女性は3日夜、自身が同寺院を参拝したと述べたが、女性2人の参拝後に寺院の「浄化」儀式を行った寺院当局はこれに異議を唱えている。

 警察によると、双方の対立によりこれまで1人が死亡、100人以上の警官と約10人の報道関係者を含む約300人が負傷した。逮捕または予防拘束を受けた抗議デモ参加者の数は3000人以上となっている。(c)AFP/Chinta Mary Anil