【1月5日 AFP】強い雨と風を伴う台風1号(アジア名:パブーク、Pabuk)が4日、タイ南部に上陸し、漁船が波にのまれるなどして2人が死亡し、1人が行方不明となっている。5日も洪水被害や停電が続き、3万人近くが現在も避難所に身を寄せているものの、台風は多くの人が避難していた観光地からはそれ、最悪の事態は回避したもようだ。

 モンスーン季以外で約30年ぶりにこの地域を襲った台風1号は4日、最大風速およそ20メートルの風を伴って上陸。タイ南部に全域に豪雨や高潮、停電をもたらしたほか、広範囲で洪水を引き起こした。

 パタニ(Pattani)県では4日午前、漁船が高波にのまれて漁師の男性1人が死亡。また乗組員1人も行方不明になったと報じられているほか、ナコンシータマラート(Nakhon Si Thammarat)県では倒木により35歳の男性が死亡した。

 ただ、台風は主要観光地のサムイ島(Koh Samui)やパンガン島(Koh Phangan)、タオ島(Koh Tao)からはそれ、空港の閉鎖などにより島内で足止めされていた観光客らは離島の準備を進めている。

 タイ気象局(Thai Meteorological Department)によると、台風1号は5日未明に勢力を弱めながらアンダマン海(Andaman Sea)に抜け、低気圧に変わったという。(c)AFP