【1月3日 AFP】ベトナムで1日、当局が反国家的と判断したインターネットコンテンツの削除をネット企業に義務付けるサイバーセキュリティー法が施行された。「情報統制の全体主義モデル」だと批判を浴びている。

 昨年6月に議会で可決された新法の下では、ネット各社は政府が「有害」とみなしたコンテンツを削除しなければならない。また、米フェイスブック(Facebook)や米グーグル(Google)といったIT大手は、ベトナム国内に事務所を開設することが義務付けられるほか、政府の要求があればユーザー情報を提供しなければならない。

 欧米やネットの自由を提唱する有識者たちは新法について、中国の抑圧的なネット検閲の模倣だと強く非難している。

 共産党一党支配のベトナムでは、公安省が非常に強い権力を握っている。同省は昨年11月に新法施行に関する布告案を発表し、ベトナム国内でサービスを提供するネット企業に対し最大12か月の猶予期間を認めた。

 新法の発効を受けフェイスブックは、ユーザーの権利を守り、人々が自由かつ安全に発信できるよう取り組んでいると説明。「(フェイスブックの)基準に違反するコンテンツの存在を確認した場合には削除する」とAFPの電子メール取材に答えた。(c)AFP