【1月1日 AFP】シリアで8年近く続く内戦による死者数が2018年は2万人を切り、過去最少となった。英国に拠点を置くNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」が12月31日、明らかにした。

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 同監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表によると、2018年の内戦による死者は1万9666人で、2011年に内戦が始まって以来、最低となった。2017年の死者数は3万3000人超だった。

 2018年の死者のうち民間人は6349人で、このうち1437人が子どもだった。その他の死者は「イスラム国(IS)」などイスラム過激派戦闘員が2746人、シリア政府軍兵士と政権側の戦闘員4594人、クルド人勢力や反体制派などが5852人となっている。

 18年前半の死者の多くは東グータ(Eastern Ghouta)など反体制派支配地域に対する政府軍とロシア軍による空爆によるもので、後半は米国主導の有志連合軍による空爆での死者が大多数だという。

 これまでにシリア内戦で死者数が最も多かった年は、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」がシリアとイラクの広い範囲を掌握し「カリフ制国家」の樹立を宣言した2014年で、7万6000人が死亡した。

 シリアでは戦闘の終結や縮小が進む地域が見られるのの、2019年は戦闘の再燃も懸念される。

 その一方、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は2週間前にシリア駐留米軍の撤退を発表。トルコ政府はシリア北東のトルコ国境沿いを支配するクルド人勢力に大規模な攻勢をかけると威嚇している。

 また、北部のイドリブ(Idlib)県には反体制派やイスラム過激派ら数千人が残り、バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領は同県全域の奪還を目指す姿勢を一貫して崩していない。c)AFP/Rouba EL HUSSEINI