バングラデシュ総選挙、与党が圧勝 野党は再選挙要求
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【12月31日 AFP】(更新)バングラデシュで30日、議会(一院制、定数350)選挙の投開票が行われ、選挙管理委員会によるとシェイク・ハシナ・ワゼド(Sheikh Hasina Wajed)首相(71)率いる与党連合が288議席を獲得し圧勝した。ただ野党は不正があったと主張。また対立する支持者間の衝突などで少なくとも17人が死亡しており、情勢は不安定となっている。
最大野党バングラデシュ民族主義党(BNP)の獲得議席はわずか6議席だった。
BNPを中心とする野党連合は、与党が票の水増しなどの不正に及んだと訴え、選挙は「茶番」だと非難。選挙管理委員会に対し、今回の選挙結果を無効として再選挙を実施するよう要求している。
今回の選挙戦では、死者を出す衝突が続発。選挙当日には当局が軍や警察、治安部隊の計60万人を動員し全土に厳重な警備体制を敷いたが、それでも暴力行為は防げなかった。
警察によると、ALとBNPの支持者間の衝突で13人が死亡。さらに投票所の警護に当たっていたとする警察が男性3人を射殺した。また当局の話では、警察関係者1人が武装した野党支持者らに殺害されたという。
ハシナ首相は在任中の10年間に同国の経済成長を促した他、隣国ミャンマー軍の弾圧を逃れてきたイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)を受け入れた点も評価されている。
一方で反ハシナ派は、首相の独裁主義に加え、権力にしがみつくために政敵であるBNPのカレダ・ジア(Khaleda Zia)党首を汚職罪で17年間収監して野党の弱体化を招いていると批判している。(c)AFP/Shafiqul ALAM / and Sam JAHAN