【12月30日 AFP】気分屋として知られる男子テニスのニック・キリオス(Nick Kyrgios、オーストラリア)が、2019年シーズンは出場試合数を減らしてツアーに参戦したいと話している。海外遠征の期間が長すぎて、精神的な問題を解決するのに必要な心理カウンセリングの時間を十分に取れないことが理由だという。

 感情の起伏が激しい23歳のキリオスは、2018年も浮き沈みの激しいシーズンを過ごした。コートでは非常識な振る舞いが批判され、終盤には肘を痛めて10月に早くもシーズンを打ち切ることになった。

 母国オーストラリアへ戻ってからの過ごし方について、キリオスは地元紙に「心理カウンセラーと会って心の問題を乗り越える取り組みを始めている」と語り、「多分、問題を長く放置しすぎた」と認めた。

 今後はブリスベン国際(Brisbane International 2019)で大会連覇を目指して復帰する予定で、状態はかなり上向きだというが、過酷だった2018年を経て、来年はスケジュールを削ることを検討しているという。

 キリオスは「故郷にいることで、問題の多くは解決した。何よりも精神的なものだったんだ」「1年のうち5か月半は海外だった。そういう生活はもうしたくない」「もし全米オープン(US Open Tennis Championships 2019)を勝てたりしたら、その後はもう試合に出ないつもりだ」と話した。

 類いまれな才能を持ちながら、激しやすいタイプのキリオスは、コート上での子供じみた振る舞いや短気、かんしゃくなどで悪名高く、今年8月の全米オープン2回戦では、やる気をなくしたように見えたキリオスに対し、主審が激励の言葉をかけたことが物議を醸した。1回戦で敗れた上海マスターズ(2018 Shanghai Rolex Masters)でも無気力なプレーが批判された。

 キリオスは「故郷を離れるのが何よりもつらい」「けがとの闘いや大会への出場、もっと言えばプレーすることも確かに大変だけど、繰り返すがどれも大した問題じゃない」「今後はスケジュールを減らして、プレーするときはとにかく楽しんで戦うことにするよ」と話している。

 先日は、クモにかまれてクリスマス当日に病院にかかるという、新シーズンに向けた出鼻をくじかれるような災難にも遭った。しかし、抗生物質と休養のおかげで体調は回復しているという。キリオスは「深刻にはとらえなかった。イブの日に足がチクッとしただけだ。この世にはもっと運の悪い出来事だってあるし、大丈夫だと思う」と話している。

 ブリスベン国際では、1回戦でライアン・ハリソン(Ryan Harrison、米国)と対戦。ハリソンは去年の決勝で当たった相手で、連覇に向けて初戦から厳しい戦いが待っている。(c)AFP