米軍撤退後のシリア地上作戦で連携、ロシアとトルコが合意
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【12月30日 AFP】ロシアとトルコは29日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が米軍撤退を発表したシリアで、連携して地上作戦を行っていくことで合意した。モスクワを訪問したトルコのメブリュト・チャブシオール(Mevlut Cavusoglu)外相らトルコ代表団との会合後に、ロシアのセルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)外相が明らかにした。
シリア駐留米軍撤退の発表を受けてシリア政府軍は28日、クルド人勢力を支援するため戦略上の要衝である北部のマンビジ(Manbij)周辺に部隊を展開。トルコに脅かされていたクルド人勢力は、これまで米軍に支援されていた。地域の同盟関係は急速に変化している。シリアを支援しているロシアはシリア政府軍のマンビジ周辺への展開を歓迎した一方、トルコには動揺が走った。
ラブロフ氏は「米軍撤退の発表によって生まれた新たな状況に、われわれは当然特別な注意を払っている」とした上で、「シリアからテロリストの脅威を最終的に根絶することを視野に、新たな状況の下でロシアとトルコの軍が引き続きどのように地上作戦で連携していくかについて合意に達した」と述べた。
チャブシオール氏は、トルコとロシアがシリア国内の軍事作戦で連携することを確認するとともに、シリア難民の帰還支援についても協議したと付け加えた。ロシア語に翻訳された発言内容によるとチャブシオール氏は、「ロシアやイランとの積極的な連携を継続し、シリア情勢の政治的解決に向けた動きを加速させる」「シリア領内からのテロ組織一掃はわれわれ共通の願いだ」と述べた。
トランプ氏は今月19日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」を倒すという米政府の目標は達成されたとして、シリアに派遣している約2000人の米軍部隊を引き揚げると発表していた。(c)AFP