5歳の「奴隷女児」を脱水死させる、IS構成員のドイツ人女を起訴
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【12月29日 AFP】ドイツの連邦検察当局は28日、5歳の女児を炎天下に放置し脱水死させたとして、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」構成員のドイツ人の女(27)を戦争犯罪で起訴したと発表した。
検察によると、ドイツ国籍のジェニファー・W(Jennifer W)被告と夫は2015年、当時IS支配下にあったイラク北部モスル(Mosul)で暮らしていた時、一家の「奴隷」として女児を購入した。
女児が病気になり、マットレスでおねしょをすると、ジェニファー被告の夫は罰として女児を屋外で鎖につなぎ、炎天下で脱水死させた。ジェニファー被告は夫の行動を黙認し、女児を救うための行動を一切取らなかった。
連邦検察は、今月14日に戦争犯罪と殺人罪、武器犯罪で、国家安全保障やテロリズムに関する事件を管轄するミュンヘン(Munich)の裁判所に公訴を提起した。
ジェニファー被告は2014年8月にドイツを出国し、トルコとシリア経由でイラク入り。同年9月にISに加入した。
同被告は、IS宗教警察の風紀犯罪取締班に採用され、IS支配下にあったファルージャ(Fallujah)やモスルの公園をパトロールしていた。職務内容は、ISが制定した行動規定や服装規定に、女性たちを確実に従わせることだった。
威嚇するために同被告はAK47(カラシニコフ、Kalashnikov)タイプのアサルトライフル1丁と拳銃1丁、自爆用爆弾を取り付けたベストで武装していた。
ジェニファー被告は女児の死から数か月後となる2016年1月、トルコの首都アンカラのドイツ大使館を訪れ、新たな身分証明書を申請。同大使館を出た際、トルコの治安部隊に逮捕され、その数日後にドイツに身柄を引き渡された。
起訴可能な証拠がなかったため、ジェニファー被告は当初、北西部ニーダーザクセン(Lower Saxony)州の自宅への帰宅が認められた。
その後、同被告がIS支配地域に戻るのが目標だと公言していることが判明。ジェニファー被告は今年6月、シリアへの再入国を試みた際にドイツ警察に逮捕された。
公判開始日時は未定。有罪となれば、最も重い刑罰として終身刑が科される可能性もある。(c)AFP