【12月27日 AFP】米国で今月に入り移民の子ども2人が拘束中に相次いで死亡したことを受けて、米税関・国境警備局(CBP)のケビン・マカリーナン(Kevin McAleenan)局長は26日、現在の移民らの「膨大な流入」はCBPの対応能力を超えているとの認識を示した上で、議会に対し、拘束した移民の子どもらを診療するための予算を手当てするよう訴えた。

 CBSテレビのインタビューで語った。CBPは25日、拘束していたグアテマラ人移民の男児(8)が同日に死亡したと発表。米国では今月これに先立ち、やはりグアテマラ人移民の女児が拘束中に亡くなっていた。

 マカリーナン局長は、大半の収容施設は単身で到着する成人男性向けに数十年前に建てられたものだと指摘。米国で拘束中の移民の子どもは2万5000人近くいると説明し、CBPはこうした大量の移民流入には対応しきれない状態だと語った。

 その上で「われわれは議会の支援を必要としている。施設に収容された子どもたちへの医療、精神面のケアのために予算が必要だ」と訴えた。

 国土安全保障省によると、米国境を越える移民は今では6割が子どもや家族が占めるようになっている。この傾向は比較的最近顕著になったもので、現在のシステムはそれに対処できるようには設計されていないという。

 同省の当局者は、国境管理当局に拘束された子ども全員に対して精密な医療検査を行うと説明。マカリーナン局長が約束した通り、10歳未満の子どもを重点的な対象として「補助的な健康診断」を実施することも確認した。(c)AFP/Gianrigo Marletta with Maggy Donaldson in Washington