ドーピング疑惑のロシア選手が引退、ソチ五輪バイアスロン金メダリスト
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【12月26日 AFP】2014年ソチ冬季五輪のバイアスロン男子リレーで金メダルを獲得したロシアのアントン・シプリン(Anton Shipulin)が25日、現役引退を発表した。ロシアのバイアスロンチームをめぐっては今月、オーストリア検察がドーピングに関する調査に乗り出していた。
これまでシプリンは自身に対する疑惑を常に否定し続けてきたが、同選手を含むロシアのトップ選手たちは、国家ぐるみのドーピングによる出場停止処分の一環として、今年の平昌冬季五輪から締め出されていた。
ロシアの通信社によれば、31歳のシプリンは今月29日にドイツ・ゲルゼンキルヘン(Gelsenkirchen)で行われる大会について、「これが現役最後のレースになるだろう」と話したという。
シプリンはロシア・モスクワで行われた記者会見で「これ以上、自分自身やファン、そして自分が愛する人たちを苦しめ続けるのは無意味だ。自分の中に必要なモチベーションが見つからない」とコメントした。
さらに「それに加えて、健康面も厳しい状況にある。先月は感染症に3度かかった」「問題から逃れようとしているのではない。私はずっと潔白を主張してきた」と続けたが、もはや競技に喜びを見つけられなくなったとも補足した。
オーストリア検察は13日、同国のホッホフィルツェン(Hochfilzen)で行われた昨年の世界選手権(Biathlon World Championship 2017)でドーピング違反の疑いがあったとして、ロシアチームの選手を調査していると発表していた。
シプリンも調査対象の一人だが、この疑惑を「事実無根のばかげたこと」として一蹴。インスタグラム(Instagram)の投稿で「現在行われている不合理な魔女狩りに怒りと憤りを感じている」とつづっていた。(c)AFP