「適応者だけが生き残るジャングル」 シエラレオネの劣悪な刑務所、改善の動きも
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【1月6日 AFP】握り拳大の通気口から一筋の光が汚れた空気に差し込み、その光の中に、油で汚れたコンクリートの床にすし詰めになって横たわる、汗まみれで裸の囚人たちの姿が浮かび上がる。
20人ほどが詰め込まれた居房に一つだけ置かれたバケツから、排せつ物があふれ出そうになっており、悪臭が喉を締めつけるほど漂っている。
これがシエラレオネ南部ボー(Bo)の矯正施設の光景だ。このような刑務所の環境に対し、国家的なスキャンダルだという声が国内で上がっている。
ぎっしり人が詰め込まれた薄暗い居房で、受刑者らは病気、腐った食べ物、ゴキブリ、巨大なナンキンムシ、ジャングルのような厳しい環境に苦しんでいる。看守の報復を恐れ、匿名を望むある受刑者は、非常に狭いため交代で横になるしかないと語る。別の受刑者は「毛布とマットはぜいたく品だ。食事でさえ、時々ひどい臭いがする」と訴える。
シエラレオネ第3の都市ケネマ(Kenema)市の刑務所では、松葉づえの受刑者がこう語る。「受刑者は食事や水、場所取りで日常的に争っている」「ここは、適応できる者だけが生き残れるジャングルだ」
シエラレオネ矯正サービス(Sierra Leone Correctional Services)の人事部門責任者デニス・ヘルマン(Dennis Herman)氏は、「国内受刑者4525人のうち、定員を超過している受刑者が2659人に上り、人でいっぱいの居房に無理やり押し込めている状況だ」と語る。
■病気のまん延
刑務所職員らはまた、所内に病気がまん延し、治療も不十分なことを指摘する。ボーの刑務所では、受刑者300人に対し医療従事者は1人しかいない。受刑者の多くは結核、エイズ(AIDS、後天性免疫不全症候群)、マラリアなど慢性疾患を患っている。また、貧血のため歩くのが困難な受刑者もいる。
ダニによる皮膚の病気にかかるのは日常茶飯事で、水は配給制のためシャワーの利用は週1度のことが多い。ボーの受刑者らは、汚染された川や手掘り井戸まで数キロ歩き、ポリタンクに水を満たして刑務所に持ち帰る仕事を科せられている。