【12月24日 AFP】中国で2年以上前に国家政権転覆罪で起訴された人権派弁護士の妻で、先週髪をそって抗議を行った女性が24日、夫が26日に出廷すると明らかにした。

 夫である王全璋(Wang Quanzhang)さんの無期限拘束に抗議して髪をそった李文足(Li Wenzu)さんはツイッター(Twitter)に、王さんが同国北部天津(Tianjin)で裁判を受けると投稿。「2018年12月24日、クリスマスイブの日に分かった。裁判がクリスマス後に始まると」と述べた。

 政治活動家らや土地接収の対象となった人々の弁護を担当していた王さんは2015年、中国の共産主義体制に批判的な司法関係者らを対象にした一斉取り締まりの後、行方が分からなくなっていた。

 王さんは翌16年1月、国家政権転覆罪で起訴されたが、15年の摘発で拘束された弁護士や活動家200人以上のうち、いまだ裁判が開かれず釈放もされていないのは王さんだけだという。

 人権問題が絡む事例に対する国際社会の監視の目が一時的に弱まる年末のホリデーシーズンに、中国政府が反体制派に対する判決の言い渡しを行うのは今回が初めてではない。

 民主活動家でノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者であり、警察の留置下で末期の肝臓がんにより亡くなった劉暁波(Liu Xiaobo)氏も、2009年のクリスマスに国家政権転覆罪で懲役11年を言い渡されている。(c)AFP