中国の自動車メーカー、「一帯一路」で海外進出加速
このニュースをシェア
【12月29日 Xinhua News】中国の自動車メーカーは、改革開放以来蓄積してきた技術、資本、人材を頼りに、「一帯一路(One Belt One Road)」への布石を打ち、研究開発センターの設立、生産拠点の立ち上げ、販売拠点の開拓などを通じて、グローバルな競争力の増強を図っている。経済参考報が伝えた。
中国自動車大手の中国第一汽車集団は「一帯一路」を主な突破口に海外進出を加速している。上半期は、東南アジア、アフリカの複数の国・地域でのプロモーションと事業展開を強化している。同社の海外事業は、東南アジア、アフリカ、中東、ラテンアメリカなどの5大地域に広がり、48カ国をカバーしている。
中国第一汽車、東風汽車、重慶長安汽車の大手3社は戦略的協力合意を締結。3社は海外市場開拓で、中国の「一帯一路」構想を積極的に実行に移し、海外製品、海外ビジネスパートナー、海外製造資源、国際物流などの面でのさらなる協力を模索する。
吉利汽車、長城汽車、奇瑞汽車、安徽江淮汽車(JAC)、北京汽車など中国の自動車メーカーも世界市場への展開を加速している。M&A(合併・買収)、工場設立、新製品の導入などを通じ、「一帯一路」沿線諸国・地域の市場を重点的に切り開き、一部の国と地域では中国車の市場占有率がますます高まっている。
チリ自動車業者協会(ANAC)の最新報告書によると、今年上半期、中国製自動車の販売台数は3万台強、チリ市場での占有率は15.6%で初めて韓国と日本を抜き、チリ市場の首位に躍進した。うち、奇瑞と江淮、長安の販売台数は軒並み3500台を突破した。
中国のスポーツ用多目的車(SUV)最大手の一つである長城汽車はここ数年、海外市場開拓に力を入れてきた。海外販売はすでに成果を上げ始め、ロシア、オーストラリア、南アフリカに設立した販売支社も安定な運営を保つ。現地化に傾注し、ロシアのトゥーラ州には総額5億ドル(1ドル=約111円)を投じて年産15万台の完成車工場を設立、2019年2月に完成、稼動開始する予定だ。
北京汽車集団の南アフリカ工場は今年7月、第一号車がラインオフした。2016年8月に着工した同工場は、北京汽車傘下の乗用車や小型四輪駆動車、現地市場に適したその他の自動車を生産する。中国企業が南アフリカとアフリカで投資額が最も大きな自動車工場となる。
工場設立で現地化を強めると同時に、中国の自動車メーカーは「一帯一路」沿線諸国に研究開発センターを設立し、一流の自動車人材を呼び集めている。中国の自動車メーカーの海外展開は、単純な製品の貿易から、製品・技術・人材・資本を一緒に輸出する産業の戦略的配置へと転換している。
長城汽車股份有限公司の魏建軍(Wei Jianjun)董事長によると、長城汽車は欧州、日本、北米に研究開発拠点を設立し、外国人による優秀な自動車研究開発チームを構築しており、同社の最新ブランド「WEY」ではこれが大きな役割を果たした。
中国自動車メーカーは「一帯一路」への布石を加速するのに伴い、輸出台数も急増している。中国汽車工業協会のデータによると、1~11月の自動車輸出台数は前年同期比20.6%増の96万1000台。車種別では、乗用車は24.3%増の70万1000台、商用車は11.8%増の26万台だった。
アナリストによると、「一帯一路」は、中国の自動車メーカーと製品の海外進出に良好な環境を与えている。現在必要なのは、ブランド運営が多元的で過度に分散しているなどの問題を解決し、新エネルギー車(NEV)やインテリジェント・コネクテッド・ビークル(ICV)の海外輸出を加速し、世界一流の自動車メーカーになるという目標を実現することだ。(c)Xinhua News/AFPBB News