バンクシーの新作、英工業都市に現る 個人の駐車場に大勢の見物客
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【12月23日 AFP】英国の覆面アーティスト、バンクシー(Banksy)の新たな作品が、同国ウェールズ(Wales)の工業都市ポートタルボット(Port Talbot)にある個人の駐車場の壁に現れ、大勢の見物客が詰め掛けている。
バンクシーの作品は今月18日に現れた。以降、地元当局が交通監視員2人を投入し、作品を一目見ようと細い小道に押し掛ける見物客の整理に当たっている。
鉄鋼業の盛んな同市に現れたこの作品には、駐車場の裏の壁の一つにそりのそばで降り注ぐ雪を口に入れようと舌を出している子どもが描かれている。しかし、隣の壁には燃え上がる火から煙が立ち上る様子が描かれ、少年が口にしているのは雪ではなく灰であることが分かる。
バンクシーは19日、自身のウェブサイトとインスタグラム(Instagram)でこの絵が自分の作品であると明らかにした。
作品が描かれた駐車場は、同市のタタ製鉄(Tata Steel)の製鉄所で働くアイバン・ルイス(Ivan Lewis)さん(55)のもの。ルイスさんは「今までこんな経験をしたことがない。電話は鳴りっぱなしで、家の電話にはメッセージが1000件ある」と話した。
ウェールズ初となったこの作品は一部から、ポートタルボットの工業の伝統と同市の製鉄所に関連した環境汚染を批判するものと受け止められている。
バンクシーは今年10月、競売大手サザビーズ(Sotheby's)のオークションで、自身の作品「少女と風船(Girl with Balloon)」が過去の作品の最高額に並ぶ104万2000ポンド(約1億4600万円)で落札された直後、額縁の中に仕掛けたシュレッダーで作品を細断し、アート界に衝撃を与えていた。(c)AFP/Paul BARKER